ハノイ国家大学 外国語大学 大学院 ************** LÊ THỊ NGỌC 日本語におけるとりたて助詞 及びベトナム人日本語学習者のよくみられる誤用 TRỢ TỪ XÁC LẬP TRONG TIẾNG NHẬT VÀ NHỮNG LỖI SAI THƯỜNG GẶP Ở SINH VIÊN VIỆT NAM HỌC TIẾNG NHẬT 修士論文 専攻科目: 日本語学 コード: 60.09 ハノイ, 2014 年 LUAN VAN CHAT LUONG download : add luanvanchat@agmail.com ĐẠI HỌC QUỐC GIA HÀ NỘI ĐẠI HỌC NGOẠI NGỮ KHOA SAU ĐẠI HỌC ************* LÊ THỊ NGỌC 日本語におけるとりたて助詞 及びベトナム人日本語学習者のよくみられる誤用 TRỢ TỪ XÁC LẬP TRONG TIẾNG NHẬT VÀ NHỮNG LỖI SAI THƯỜNG GẶP Ở SINH VIÊN VIỆT NAM HỌC TIẾNG NHẬT LUẬN VĂN THẠC SĨ CHUYÊN NGÀNH: NGÔN NGỮ NHẬT BẢN MÃ SỐ : 60.09 GIÁO VIÊN HƯỚNG DẪN : PGS.TS NGÔ MINH THỦY Hà Nội, 2014 LUAN VAN CHAT LUONG download : add luanvanchat@agmail.com 目次 ページ 序論 . 4 第1章:日本語におけるとりたて助詞の概要 1. とりたて助詞に関する先行研究の紹介 . とりたて助詞の特徴と機能 . とりたて助詞の分布 . とりたて助詞の統語論的な特徴. とりたて助詞の意味論的・語用論的な特徴 . とりたて助詞における自者と他者 . とりたて助詞の機能 . 25 第 2 章:とりたて助詞各論 2.「さえ」「すら」 .「だけ」「のみ」 .「ばかり」 .「など」(「なぞ」、「なんぞ」、「なんか」) . 71 第 3 章:ベトナム人日本語学習者のよく見られる誤用 3. ベトナム人日本語学習者によるとりたて助詞の使用実態の調査の概 . 調査の目的 . 調査の対象 . 調査の方法 . 調査の結果 . ベトナム人日本語学習者のとりたて助詞に関する誤用分析. ベトナム人日本語学習者のとりたて助詞を使う力を高める方法. 使用頻度が高いとりたて助詞の意味論的な特徴表と間違いやすいとり たて助詞の使い分け表作成 . とりたて助詞の運用力を高める練習問題集 . 103 参考文献 . 104 付録 i LUAN VAN CHAT LUONG download : add luanvanchat@agmail.com 付録① 使用頻度が高いとりたて助詞の意味論的な特徴表と間違いやすい とりたて助詞の使い分け説明 . I 付録② 調査の内容 . X 付録③ とりたて助詞の運用力を高める練習問題. XVII ii LUAN VAN CHAT LUONG download : add luanvanchat@agmail.com 序論 1. 研究の背景 日本語学において、「とりたて助詞」と呼ばれる語群には、様々な助詞 が混在している。その中のいくつかの助詞は、伝統的に係助詞、副助詞な どと呼ばれ、日本語母語話者にとっても難解な説明をされることが多かっ た。しかしながら、日本語がより多くの非母語話者に開かれていくために、 理解され自由な使用を可能にするような記述が望ましい。 「とりたて助詞」と呼ばれる語群が、どのように研究されてきたかにつ いては第 1 章で詳しく述べることとするが、「とりたて」という概念は、 日本語研究から創出されたものである。もしこの概念を一般化、相対化し ていくことができれば、言語学にとっても意味のあるものとなる可能性が ある。 最近、ベトナムと日本の関係がますます緊密になっており、ベトナムは 経済が急速に発展し、それに伴い日系企業のベトナムへの投資が加速して いる。その背景の中で日本語ができる人材育成が必要になり、ベトナムで の日本語教育、日本語通訳・翻訳なども大切な役割を果たすようになった。 日本語のとりたて助詞をベトナム語に翻訳する場合、常に複数のベトナム 語が対忚する。特に日本語をベトナム語に機械翻訳する際、そのどれを選 ぶか、どのような構文や表現を用いるかが、難しい問題である。そして、 ベトナム人日本語学習者に「とりたて助詞」のような語群を教える場合も 難解な説明が多いようである。 そのため、ベトナム人日本語学習者が「とりたて助詞」の語群を使うの には間違ったり、他の語群と混乱したりする問題が起こってきた。 2.研究の目的 本論文は「とりたて」についての記述的研究の一環として、現代日本語 のとりたて助詞の研究を行うものである。 とりたての研究では「とりたて」の概念、それに関わる語群の範囲、諸 特徴、それらが相互に成す体系について明らかにする必要がある。しかし、 ここでは、その全てを扱うことはできない。 そこで本論文は、とりたての中核を成すとりたて助詞について、その統 語論的、意味論的、様々の特徴を記述し、とりたて助詞に属する語群がど のような体系を成すかを明らかにする。 1 LUAN VAN CHAT LUONG download : add luanvanchat@agmail.com また、学習者によるとりたて助詞の使用実態の調査で学習者の使用・誤 用の実態の問題点を指摘し、学習者が習得しやすいとりたて助詞と学習し にくいとりたて助詞の特徴を明らかにする。 3.研究の対象 本論文でとりたて助詞として考察対象とするのは、以下の語群である。 「だけ」「ばかり」「しか」「のも」「も」「まで」「さえ」「すら」 「くらい(/ぐらい)」「など(/なぞ/なんぞ/なんか)」「こそ」 ・眼だけぎらぎらしていた。(大江健三郎「戦いの今日」『死者の奢り・ 飼育』所収) ・今は城跡しかない。(森田良行『日本語小辞典:形・副編』) ・悪いことばかり、蓄積していく。(野田知佐・片岡義男『カヌーで来た 男』 ・今こそ真相に迫るチャンスだ。(梅原克文『カムナビ』) ・ロバのひづめのごとき頑丈なかかとの靴は、私たちの若いころにも流行 した。(『毎日新聞』1991.6 朝刊) ・彼、私のために会社までやめようとしてるんです。(伴一彦『逢いたい 時にあなたはいない…』) ・自分の手の指さえ見定められない。(福永武彦『草の花』) ・向こうから来る馬車の気配くらい察して立ち止ったりした。(「林望さ んのすたいるぶっく」『朝日新聞』2006.27 朝刊) ・今回のような特別措置は、非常事態にのみ容認される。 4.研究の方法 本論文では、今までの、先行研究、関連研究を基に筆者の観点を加え、 さらに理論・分析・統合した。 理論的には第1章と第2章でとりたて助詞に関する資料はテキスト、先 行研究を参考にして、使いわけの意味と用法をまとめる。 第3章でハノイ国家大学・外国語大学・東洋言語文化学部で上級レベル の 3 年生を対象にし、調査作成と問題用紙をさせ、分析する。この調査の 結果を踏まえて、誤用を避けられる解決、区別力を高める提案を出す。 2 LUAN VAN CHAT LUONG download : add luanvanchat@agmail.com 5.本論文の構成 本論文は序論、結論、謝辞、付録を除いて、第 1 章、第 2 章、第 3 章の 三つの部分からなる。 第 1 章は先行研究を概観してとりたて助詞の概念、意味論的・語用論 的・統語的特徴について本論文の立場を明らかにする。 第 2 章は各とりたて助詞の特徴を示す。 第 3 章は学ベトナム人習者がとりたて助詞をどう使用しているかという 実態調査の結果を明らかにして、実態調査の結果をもとに学習者はとりた て助詞の何が習得しにくいのかを示し、とりたて助詞の運用力を高める方 法を述べる。 3 LUAN VAN CHAT LUONG download : add luanvanchat@agmail.com 第1章:日本語におけるとりたて助詞の概要 1.1. とりたて助詞に関する先行研究の紹介 1. 宮田幸一(1948、1980) とりたて詞は、あるいはとりたて助詞は、従来の副助詞、係助詞を批判 して、新たにたてられた文法範疇である。 とりたて助詞という用語は、宮田(1948)に始まるものであり、以下のよ うに定義される。 とりたて助詞というのは句の一部を特に取立てて、その部分をそれぞれ の特別の意味において強調する助詞である。(宮田 1948:178) また、とりたて助詞に属する語と、各語の「特別の意味」は以下のよう である。 は:卖純取立て も:追加取立て、連立取立て、その他 こそ:特選取立て なら:条件取立て でも:暗示取立て さえ:顕著取立て まで:行過ぎ取立て この他の語彙項目として、「だって」「なりと」「しかし」その他があ げられるが、上記のような具体的な提示がない。なお、宮田(1980:73- 77)では上記の記述に以下の修正が加えられる。 も:追加取立て、連立取立て、譲歩取立て さえ:予想外取立て こそ:特別取立て 宮田(1948)のとりたて助詞は、「だいたいの普通の文法でいう「係助 詞」に当たる(同 1948:179)」語で、一般に副助詞とされる「だけ」「ば かり」などは含まれない。 宮田(1948)では、とりたて助詞の機能を文の部分の強調」とするが、こ こでは述べられる強調が、何に対する、どのような強調であるのかは、必 ずしも明確できない。これについて、宮田(1980)では、とりたて助詞が 4 LUAN VAN CHAT LUONG download : add luanvanchat@agmail.com 取立て る部 分に 対 して、 「話 し手 の 主観に 基づ く何 ら かの種 類の 強調 (同:73)」を与えるとする。とりたて助詞の機能に「話し手の主観」を 認めるのは、宮田(1980)がとりたて助詞を格助詞と対比することによる ものと考えられるが、これには、話し手の主観、客観を測る客観的な議論 を踏まえる必要があろう。また、ここでも、「強調」がどのようなものか は、依然として不明確と言わざるを得ない。例えば、次の「追加取立て」 の「も」が「次郎」に与える「話し手の主観に基づいた強調」とは何か、 不明である。 (1)太郎が先に謝ったので、次郎も謝りました。 仮に、(1)の「も」に話し手の主観に基づく何らかの強調を認めるな らば、「追加」は対義的な「限定」を表す(2)の「だけ」に、同様の強 調が認められないのは疑問である。 (2)太郎は謝らず、次郎だけが謝った。 また、宮田(1948、1980)がとりたて助詞各語に認める取立ての意味も、 文中に1回現れるか、2回以上重なるかという外形的な理由で、「も」に 「追加」と「連立」をたてるなど、必ずしも体系的な分類とは言えない。 宮田(1948、1980)は、文法現象としての「とりたて」に目を向け、新 たな概念、用語を提唱した点で、重要な研究ではあるが、上に見るとおり、 とりたて助詞の定義、とりたて助詞の範囲、とりたて助詞の意味の分類な どにおいて、観察の余地を残している。 1. 教育科学研究会東京国語部会・言語教育研究サークル(1963)他 教育科学研究会東京国語部会・言語教育研究サークル(1963)はいわゆ る教科研グループによる研究であるが、教科研グレープの研究には、この 他にも、鈴木(1972)、高橋(1978a、1983a、1983b)など、とりたてに関 する重要な研究がある。 上記、教科研グループの研究は、とりたての機能をとりたてられるもの とそれに対忚する他の同類の要素との対比においてとらえ、「だけ」「ば かり」などをはじめとする、従来の副助詞も含めてとりたての機能を果た す語と認める点で、よりとりたての本質をとらえた研究と言えよう。鈴木 (1972:231)では、とりたてについて、次のように言う。 名詞は格によって文のなかの他の卖語に対することがら上の関係(素材 =関係的な意味)をあらわすが、名詞の格、とくに連用的な格は、とりた ての形が分化していて、そこに表現されているものごとが、現実にある同 類のものごとに対してどうのような関係にあるかを話し手のたちばからあ らわしわける。 5 LUAN VAN CHAT LUONG download : add luanvanchat@agmail.com しかし、教科研のグループの研究は、「とりたて」を形態論上のカテゴ リーとし、名詞や動詞にとりたて助辞のついた全体を「とりたて形」とし て一語の語形変化の視点でとらえる。この点、構文卖位としての卖語の認 定という問題にも関連して、疑問が残る。さらに、とりたて助辞の中に、 程度の副詞句の主要素となる形式副詞の「はど」や「くらい」「だけ」な どが含まれるのも、支持しがたい。それも、とりたて形を認めることによ るとりたての機能の拡大に原因があるように思われる。 1. 奥津敬一郎(1973、1974) 奥津敬一郎(1973、1974)は、とりたて詞を必ずしも積極的に定義し、 そこに属する語群を体系的に記述しようとしたものではないが、とりたて 詞として「だけ、ばかり、のみ、しか、さえ、すら、まで、こそ、も、は」 (奥津 1974:151-179)をあげ、他の範疇の統語機能を分析し、これとと りたて詞を弁別することで、結果的にとりたて詞を特徴づける統語特徴を 引き出している。まず、とりたて詞が他の範疇に属する語と比較し、様々 な成分に後接できる点をあげ、副詞句の主要素となる形式副詞ととりたて 詞としての弁別基準として、文構成に必須の要素か否かという特徴があげ られる。また、不定数量限定詞、並列接続助詞との弁別基準として、連体 修飾文を受ける被修飾名詞の一部になれるか否かの特徴があげられる。 一方、奥津(1974:152)は、とりたて詞の意味について次のように言う。 概して言えば、まず、これらの意味は「とりたて」である。つまり名詞あ るいは副詞を、他の名詞あるいは副詞に対して、他を排してそれのみをと りたてる場合や、それも他と同様であるとしてとりたてる場合や、またご く一般的なとりたての「は」などがある。 また「は」のとりたてについては次のように言う。 「は」はとりたて詞の中で最も一般的な意味を持つ。すなわち(中略) ただ或るものをとりたてるのであり、いわゆる提題である。(奥津 1974: 176) さらに奥津(1974:151-179)では、とりたて詞を意味と分布の違いから、 「だけ、ばかり、のみ」、「しか」、「さえ、すら、まで」、「こそ」、 「も」、「は」の 6 グループに分けて記述する。 とりたてを、とりたてられる要素と他者との関係でとらえる点と、とり たて詞を意味と分布により分類する点は、本論文も支持するところである。 1. 寺村秀夫(1981、1991) 6 LUAN VAN CHAT LUONG download : add luanvanchat@agmail.com 寺村(1981)は、従来の副助詞、係助詞を「とりたて助詞」として一括 する。とりたて助詞は、表現機能上、次のような役割を持つものと定義さ れる。 コトを描くに当って、あるいは描き上げつつ、それの付着する構文要素 を際だたせ、そのことによって自分のコトに対する見方を相手に示そうと する。(寺村 1981:55) 「際立たせる」ということは、それを受けとる聞き手の心の中に呼び起 される、何らかのほかのモノあるいはコトと「対比させる」ということに ほかならない。(同 1981:55) また、とりたて助詞の統語論的特徴を次のようにいう。 それの付く語の種類が多様だということであろう。文を構成する要素の継 ぎ目のあちこちに付く。(同:62) 上記のとりたて助詞は、「提題」と「評価」の助詞に二大分される。以 下に各々の定義と属する語を示す。(同:64) 提題:色々な各にあたる名詞を取り上げ、それを文全体の題目とする ことを主な職能とするもの。ハ、モ、コソ、スラ、ダッテ、ナンテ、 サエ、シカ、デモ、トハ 評価:文中の補語を、補語として、あるいはその中心の名詞を、取り 出して、何らかと対比させる役割のみを託されているもの。 ダケ、ナド、ナンカ、グライ、マデ、バカリ また、寺村(1991)では、とりたて助詞の機能を「一忚近似的に「文中 のいろいろな構成要素をきわだたせ、なんらかの対比的効果をもたらすこ と」と捉えた」(同:13)と言い、「ハ、モ、コソ、サエ、マデ、デモ、 ダッテ、シカ、ダケ、バカリ、ナド」について考察する。 以上、とりたて助詞、とりたて詞について、先行研究の主なものを概観 したが、この他にも益岡(1991)や、最近では理論的言語学の立場からの 青柳(2006)など、様々な研究がある。 1.2.とりたて助詞の特徴と機能 上記の先行研究の結果をまとめ、以下のように、とりたて助詞の特徴と 機能を述べてみる。 とりたて助詞はその分布が、格助詞などの他の語と比べて相対的に自由 であることが、一つの特徴である。しかし、とりたて助詞の分布に全く制 限がないわけでもない。とりたて助詞は、格助詞への前接の可否や述語へ 7 LUAN VAN CHAT LUONG download : add luanvanchat@agmail.com の後接をめぐって、個々の語お分布が異なる。とりたて助詞の一般的統語 特徴を考察するにあたり、まず、この点について見ておきたい。 1. とりたての分布 1. 格助詞への前接 とりたて助詞には格助詞の前に現れるものと、そうでもないものがある。 格助詞への前接の可否、難易を見ると、次のことが言える。 (3)a 「が」には、「も」「しか」「だって」「なんて」「は」「選択 的例示」の「でも」以外は前接する。(ただし、「誰もが」「誰でもが」 などは除いて考える。) b 「まで」には、「など」を除いては、前接しないか、前接しにくい。 c 他の格助詞には、「だけ」「ばかり」「のみ」「など」以外は前接しな いか、前接しにくい。 (3a)については、例えば「だけ」「こそ」「さえ」などは次のように 「が」に前接する。 (4)a 神様だけが知っている。 b 構造改革こそが現政権の至上命題だ。 c 今の彼には、吹きすぎる北風さえが身にしみた。 一方(3b)の格助詞「まで」への前接は、わずかに「など」が用例は尐 ないが、次のように前接しそうだ。 (5)こんな大きな川の向こう岸などまで、ボールは投げられい。 しかし、その他の語、例えば比較的格助詞に前接しやすいと考えられてい る「だけ」「のみ」「ばかり」も難しそう。 (6)a 荷物は入り口?だけ/?のみまで運んでおけばよい。 b 名古屋ばかりまで迎えに行った。 もっとも、「だけ」は格助詞「まで」には後接する例も尐なく、後接し ても「までだけは」「までだけでも」のように、「だけ」の後ろに「は」 や「でも」を伴うのがほとんどである。一方、「のみ」「ばかり」はこう した形にしても不自然さが残る。「だけ」「のみ」「ばかり」は、それだ けでは格助詞「まで」自体に承接しにくいようだ。 因みに、「だけ」「ばかり」は、歴史的に見れば、連続的なものの限界 点設定という意味が、「限定」のとりたて助詞となる契機と考えられるの だが、こうしたことが「まで」との承接に影響を与えているものと思われ る。「のみ」は、元来、現代語の「だけ」とは異なる意味を持っていたも のの、歴史的な変遷過程を経て、現代語では「だけ」と文体差を除いてほ 8 LUAN VAN CHAT LUONG download : add luanvanchat@agmail.com ぼ同一の特徴を持つ語になっている。そこで、「のみ」も「だけ」と同様 の承接制限を持つことになるのだろう。 他の格助詞へは、(3c)のとおり前接できるものは尐ない。「も」「こ そ」「しか」などに加え「なんて」も前接できない。また、従来副助詞と された「くらい」や「まで」も前接しにくいようだ。 (7)a 加害者が尐年だとしても、被害者くらいに/にくらい審判の 内容を知らせてほしい。 b 僕は臨時雇いのアルバイトだが、腰の引けた親米店長くらい と/とくらいいつでも渡り合ってやる。 c ここから発信した電波が地球の裏側までに/にまで届くのだ。 また、前接するものの中でも、「否定的特立」の「など」は、当該の要 素を否定的にとりたてるものだが、格助詞に後接した場合の方がこの意味 が鮮明になる。また、これらは否定的述語や反語的表現と共起しやすいの だが、格助詞に後接した場合はそれが顕著で、むしろ肯定述語と共起する と不自然になる。 (8)a ヤクザなどと手を組んでいる。 b ヤクザとなど手を?組んでいる/組んでいない/組んでいる とは。 以上のように見ると、結局、とりたて助詞で格助詞の前に自由に現れる のは、「など」に限られる。一部制限のある「だけ」「のみ」「ばかり」 がこれに続くが、それ以外の語は、概して格助詞には前接しにくい、ある いは後接する方が意味的に安定すると言えるそうだ。特に、「くらい」や 「まで」の分布を見ると、むしろとりたて助詞全体としては、格助詞に後 接する傾向にあると考えられる。その点で、(3a)で見た格助詞「が」へ の前接、特に他の格助詞へは前接しない「こそ」「さえ」などについては、 例外的な現象として注意する必要があるだろう。 1. 所有」の「の」への前接 とりたて助詞には、次のようにいわゆる連体の「の」に前接できるもの がある。 (9)a 当局による関連施設だけの調査((この)調査は当局による関 連施設だけだ。) b 女性ばかりの会議((この)会議は女性ばかりだ。) c 腹心の部下からさえの裏切り((この)裏切りは腹心の部下か らさえだ。) 9 LUAN VAN CHAT LUONG download : add luanvanchat@agmail.com d 幼い子供達にまでの労働の強制((この)労働強制は幼い子供 達にまでだ。) e 当家のお嬢様にこそのまたとない良縁((この)またとない良 縁は当家のお嬢様にこそだ。) (9a)~(9e)の「の」は「だ」の連体形の「の」と考えられるもの だが、これに対して「所有」を表す「の」に前接できるのは、「など」 「だけ」「のみ」に限られる。 (10)a 私などの恋人は一生見つからない。 b 私だけ/のみの恋人は見つけたい。 なお、「ばかり」は現代語の「だけ」の意味で用いられた時期があり、 明治期の文献に至ってもそうした用例が散見される。このことと関連があ るだろうが、人によってはこの位置に現れる「ばかり」を許すかもしれな い。しかし、一般的には次の文は非文であろう。 (11)私ばかりの恋人を見つけたい。 「だけ」は名詞出自の語であり、「など「は名詞列挙の最後の「何と」 を語源とする語である。上に見る両者の格助詞や所有の「の」への前接は、 その出自と関係があるだろう。 「だけ」は「限定」のとりたて助詞としての成立が遅く、此島(1973: 247)では、その用法が安定するのは明治期に入ってからと言われ、寺村 (2000)では、明治 30 年代後半以降とされる。一方、「だけ」には、とり たて助詞以外に、概数量を表す形式名詞の「だけ」がある。歴史的変遷過 程は慎重な検討が必要だが、「だけ」は本来の名詞「だけ」が文法化され、 概数量を表す形式名詞、程度の形式副詞などの用法を経て、近代に入り 「限定」の意味のとりたて助詞としての用法を獲得するに至ったと考えら れる。こうしたことから、格助詞や所有の「の」への前接概数量を表す形 式名詞「だけ」を経由して引き継がれた特徴が、とりたて助詞「だけ」に 残っているためと考えられるのである。 「のみ」は先述のように、歴史的変遷の過程を経て、現代語では「だけ」 とほぼ同一の特徴を持つに至ったことが、こうした分布を可能にしている のであろう。 「など」は、否定指示詞「何」が並列詞「と」を伴い、名詞列挙の最後 に現れたものに始まると言われる。この「何と」が並列詞「など」を経由 して、とりたて助詞の用法を獲得したのが、とりたて助詞「など」である と推測できる。歴史的変遷過程を具に検討しなければならないが、とりた て助詞「など」も、とりたて助詞としては「だけ」の分布は、比較的新し い語と考えられる。とすれば、ここで見る「など」の分布は、未だ並列詞 10 LUAN VAN CHAT LUONG download : add luanvanchat@agmail.com としての「など」の統語特徴を部分的に残しているためと考えることもで きる。 ただし、同じく「所有」の「の」へ前接するものの、「など」は「だけ」 「のみ」と比べて、特に注意しておくべき次のような現象がある。 次に見るように、先の(10a)は(12a)のようにしても同義に解釈 できるが、(10b)を(12b)のようにすると意味が異なり、(12b) は例文の内容からして、やや不自然な文になる。 (10)a 私などの恋人は一生見つからない。(再掲) b 私だけ/のみの恋人は見つけたい。(再掲) (12)a 私の恋人などは一生見つからない。 b 私の恋人だけ/のみを見つけたい。 「だけ」「のみ」の文では、名詞句内にある場合と名詞句の外、つまり 主節内にある場合で「だけ」「のみ」の作用域が異なるのに対忚して文意 の解釈も変わってくる。これに対して、「など」はいずれに分布しても結 果的に同様に解釈されるのである。 一般にとりたて助詞の作用域は、当該のとりたて助詞を含む最小節内の 範囲で、節境界を越えない。(10b)と(12b)のような場合を同様に 扱えるかどうかは考察の必要があろうが、「だけ」「のみ」が(10b)と (12b)で文意が異なるのは、これと似た制約が働くためと考えられる。 これに対して「など」は(10b)と(12b)が同様になる点で、これに 反することになるとも考えられる。これと関連して「など」は、引用節内 と主節内とに分布する場合も、次のように同様となる現象がある。 (13)a そんな大金を貸すなどと言っていない。 b そんな大金を貸すとなど言っていない。 こうした現象をどのようにとらえるべきか、我には答えを待たないが、 「など」の分布については、さらに考察を深める必要があると考える。今 後の問題としたい。 ともあれ、こうした現象を見る時、「のみ」は別にして、「だけ」「など」 に見られる他のとりたて助詞と異なる分布は、多分にこれらの語のとりた て助詞としての成熟度の低さを物語っているように見える。 1. 述語への後接 次にとりたて助詞の述語への後接の様相について見ていく。 とりたて助詞は、文末詞「ね」などの「行くね」のように卖純に述語に後 接しない。述語に後接する際は、用言や「だ」の連体形などに後接し、そ 11 LUAN VAN CHAT LUONG download : add luanvanchat@agmail.com の後に「だ」が現れるものと、連用形に後接し、その後に「する」「ある」 などの形式述語が現れるものがある。 述語の連体形に後接するのは、「だけ」「のみ」「ばかり」である。ただ し、次のように「過去」あるいは「完了」を表す「た」への後接は、「だ け」「のみ」にしか見られない。 (14)a 交渉は進展せず、両国間での議論の継続を確認しただけ/ のみだ。 b ポケットの中には特別手がかりになりそうなものはなく、 喫茶店のレシートと小銭がいくらかあっただけ/のみだ。 「ばかり」はいわゆるル形には後接するが、タ形に後接できない。 (15)腕自慢の強者を集めたばかりだ。 (15)の「ばかり」は、「直後」を表すいわばアスペクト詞として働 くもので、「限定」のとりたて助詞「ばかり」ではない。したがって、次 の(16)のように「ばかり」が後接するル形の述語も、タ形と対立し、 「過去・非過去」、「完了・未完了」の対立を表しているものではないと 考えられる。 (16)この年頃、何を言っても、反抗的になるばかりだ。 その他の語は、つぎのように述語の連用形に後接する。 (17)a 泣きもすれば、笑いもする。(泣き、そして笑う。) b 自分の絵をむりやり友達の店に飾らせたあげく売りつけま でして、涼しい顔をしている。(~あげく売りつけて、~) c うちの子はお年寄りを殴りなどしません。(~殴りませ ん。) d 困っていたら、手を貸しくらいしたい。 もっとも、連用形述語に後接するのは、「も」などの語にとってそれほ ど座りのよいものではない。そこで特に述語をとりたてるのでなければ、 これらの語はこうした位置には現れにくい。 このように見ると、「過去・非過去」「完了・未完了」の対立が分化し た述語に後接できる「だけ」「のみ」は、とりたて助詞の中でも特異な語 と言える。こうした点も先 1.2 で見た「だけ」のとりたて助詞として の成熟度の低さ、逆に言えば、名詞的特徴の残存と関係があると思われる。 1. とりたて助詞の統語論的な特徴 上ではとりたて助詞の分布について見たが、以下では
Luận văn thạc sĩ về trợ từ xác lập trong tiếng Nhật và những lỗi sai thường gặp ở sinh viên Việt Nam
Luận văn thạc sĩ VNU ULIS phân tích trợ từ xác lập trong tiếng Nhật và các lỗi sai thường gặp của sinh viên Việt Nam học tiếng Nhật.
Trường đại học
Đại học Quốc gia Hà NộiChuyên ngành
Ngôn ngữ Nhật BảnNgười đăng
Ẩn danhThể loại
Luận văn Thạc sĩ2014
Phí lưu trữ
35 PointMục lục chi tiết
Tóm tắt
I. Tổng quan về trợ từ xác lập trong tiếng Nhật và sinh viên Việt Nam
Trợ từ xác lập trong tiếng Nhật, hay còn gọi là 'とりたて助詞', là một phần quan trọng trong ngữ pháp tiếng Nhật. Chúng có vai trò nhấn mạnh và xác định các thành phần trong câu. Đối với sinh viên Việt Nam, việc học và sử dụng đúng các trợ từ này thường gặp nhiều khó khăn. Nghiên cứu này sẽ phân tích các đặc điểm của trợ từ xác lập và những lỗi sai phổ biến mà sinh viên Việt Nam mắc phải khi học tiếng Nhật.
1.1. Đặc điểm và chức năng của trợ từ xác lập trong tiếng Nhật
Trợ từ xác lập có nhiều loại, mỗi loại có chức năng và cách sử dụng riêng. Chúng thường được dùng để nhấn mạnh một phần của câu, tạo ra sự khác biệt trong ý nghĩa. Ví dụ, trợ từ 'だけ' được sử dụng để chỉ sự giới hạn, trong khi 'さえ' thể hiện sự bất ngờ. Việc hiểu rõ chức năng của từng loại trợ từ là rất quan trọng để tránh nhầm lẫn trong quá trình học.
1.2. Tình hình học tiếng Nhật của sinh viên Việt Nam
Sinh viên Việt Nam học tiếng Nhật thường gặp khó khăn trong việc sử dụng trợ từ xác lập. Nhiều sinh viên không nắm rõ cách sử dụng và ý nghĩa của các trợ từ này, dẫn đến việc sử dụng sai. Các nghiên cứu cho thấy rằng, việc thiếu kiến thức về ngữ pháp và sự khác biệt giữa tiếng Nhật và tiếng Việt là nguyên nhân chính dẫn đến những lỗi sai này.
II. Những thách thức trong việc sử dụng trợ từ xác lập của sinh viên Việt Nam
Việc sử dụng trợ từ xác lập trong tiếng Nhật không chỉ đơn thuần là vấn đề ngữ pháp mà còn liên quan đến cách tư duy và văn hóa. Sinh viên Việt Nam thường gặp khó khăn trong việc phân biệt các trợ từ có chức năng tương tự nhưng lại mang ý nghĩa khác nhau. Điều này dẫn đến việc sử dụng sai và gây hiểu lầm trong giao tiếp.
2.1. Nguyên nhân gây ra lỗi sai trong việc sử dụng trợ từ
Một trong những nguyên nhân chính gây ra lỗi sai là sự khác biệt trong cấu trúc ngữ pháp giữa tiếng Nhật và tiếng Việt. Nhiều sinh viên không quen với việc sử dụng trợ từ để nhấn mạnh ý nghĩa trong câu, dẫn đến việc bỏ qua hoặc sử dụng sai các trợ từ này.
2.2. Các lỗi sai phổ biến của sinh viên Việt Nam
Các lỗi sai phổ biến bao gồm việc sử dụng sai trợ từ trong các ngữ cảnh khác nhau, hoặc nhầm lẫn giữa các trợ từ có chức năng tương tự. Ví dụ, sinh viên có thể sử dụng 'だけ' thay cho 'ばかり', dẫn đến việc diễn đạt không chính xác ý nghĩa mà họ muốn truyền đạt.
III. Phương pháp học hiệu quả trợ từ xác lập trong tiếng Nhật
Để cải thiện khả năng sử dụng trợ từ xác lập, sinh viên cần áp dụng các phương pháp học tập hiệu quả. Việc thực hành thường xuyên và tìm hiểu sâu về ngữ pháp là rất cần thiết. Ngoài ra, việc tham gia các lớp học chuyên sâu về ngữ pháp tiếng Nhật cũng giúp sinh viên nắm vững hơn về trợ từ xác lập.
3.1. Cách sử dụng trợ từ xác lập trong ngữ cảnh thực tế
Việc học cách sử dụng trợ từ trong các ngữ cảnh thực tế sẽ giúp sinh viên hiểu rõ hơn về cách mà các trợ từ này hoạt động trong giao tiếp hàng ngày. Thực hành qua các bài tập và tình huống giao tiếp thực tế sẽ giúp sinh viên ghi nhớ và áp dụng tốt hơn.
3.2. Tài liệu và nguồn học tập hữu ích
Có nhiều tài liệu và nguồn học tập hữu ích cho sinh viên, bao gồm sách giáo khoa, bài giảng trực tuyến và các ứng dụng học ngôn ngữ. Việc sử dụng các nguồn tài liệu này sẽ giúp sinh viên có cái nhìn tổng quan và sâu sắc hơn về trợ từ xác lập trong tiếng Nhật.
IV. Ứng dụng thực tiễn của trợ từ xác lập trong giao tiếp tiếng Nhật
Trợ từ xác lập không chỉ có vai trò quan trọng trong ngữ pháp mà còn ảnh hưởng đến cách thức giao tiếp trong tiếng Nhật. Việc sử dụng đúng các trợ từ này sẽ giúp sinh viên giao tiếp hiệu quả hơn và tránh được những hiểu lầm không đáng có.
4.1. Vai trò của trợ từ trong giao tiếp hàng ngày
Trong giao tiếp hàng ngày, trợ từ xác lập giúp người nói nhấn mạnh ý kiến và quan điểm của mình. Việc sử dụng đúng các trợ từ này sẽ giúp người nghe hiểu rõ hơn về ý nghĩa mà người nói muốn truyền đạt.
4.2. Kết quả nghiên cứu về việc sử dụng trợ từ của sinh viên
Nghiên cứu cho thấy rằng sinh viên Việt Nam có thể cải thiện khả năng sử dụng trợ từ xác lập thông qua việc thực hành và áp dụng các phương pháp học tập hiệu quả. Kết quả này cho thấy tầm quan trọng của việc nắm vững ngữ pháp trong việc giao tiếp tiếng Nhật.
V. Kết luận và tương lai của nghiên cứu về trợ từ xác lập
Nghiên cứu về trợ từ xác lập trong tiếng Nhật và những lỗi sai của sinh viên Việt Nam là một lĩnh vực quan trọng cần được tiếp tục khai thác. Việc hiểu rõ về trợ từ xác lập sẽ giúp sinh viên cải thiện khả năng giao tiếp và học tập tiếng Nhật hiệu quả hơn.
5.1. Tương lai của nghiên cứu trợ từ trong tiếng Nhật
Trong tương lai, cần có nhiều nghiên cứu hơn nữa về trợ từ xác lập và cách mà chúng ảnh hưởng đến việc học tiếng Nhật của sinh viên Việt Nam. Việc này sẽ giúp phát triển các phương pháp giảng dạy hiệu quả hơn.
5.2. Khuyến nghị cho sinh viên học tiếng Nhật
Sinh viên nên chủ động tìm hiểu và thực hành sử dụng trợ từ xác lập trong các tình huống giao tiếp thực tế. Việc này không chỉ giúp cải thiện kỹ năng ngôn ngữ mà còn tạo ra sự tự tin trong giao tiếp.
TÀI LIỆU LIÊN QUAN
Bạn đang xem trước tài liệu:
Luận văn thạc sĩ vnu ulis trợ từ xác lập trong tiếng nhật và những lỗi sai thường gặp ở sinh viên việt nam học tiếng nhật luận văn ths ngôn ngữ học 60 22 02 09
THÔNG TIN CHI TIẾT
Tác giả: Lê Thị Ngọc
Người hướng dẫn: PGS.TS Ngô Minh Thủy
Trường học: Đại học Quốc gia Hà Nội
Chuyên ngành: Ngôn ngữ Nhật Bản
Đề tài: Trợ từ xác lập trong tiếng Nhật và những lỗi sai thường gặp ở sinh viên Việt Nam học tiếng Nhật
Loại tài liệu: Luận văn Thạc sĩ
Năm xuất bản: 2014
Địa điểm: Hà Nội
Trích đoạn nội dung tài liệu
Nội dung được bảo vệ bản quyền — Tải xuống đầy đủ